ウインターカップ2021は福岡大学附属大濠高校の優勝で幕を閉じました。
決勝戦の福大大濠と帝京長岡の試合は、最後まで手に汗握る接戦でした。
こちらではウインターカップ2021の決勝、準決勝の試合結果をまとめております。
ウインターカップ2021 準決勝
福岡大学附属大濠 vs 仙台大学附属明成
両校ともに世代を代表する注目プレーヤーを擁するチームであり、今大会屈指のサイズを誇るチーム同士。個人的に今大会で最も注目していた一戦です。
案の定試合開始の直後からバチバチの攻防が繰り広げられる、終始目が離せない歴史に残るほどの一戦でした。
第1Q開始直後から大濠は明成の高いブロックに阻まれながらも、果敢にリングへのアタックを続け、#13 岩下准平が先取点をあげる。
対する明成も#9 山埼紀人が3連続得点をあげると、点の取り合いといった内容に。
しかし、徐々に1つ1つのシュートをより確実に決めきる明成がリードを作り、18-30 と明成リードで第2Qへ。#8 山﨑一渉、#10 菅野ブルースは第1Qですでに二桁得点に乗る。
第2Qでは大濠がディフェンスから仕掛けて流れを引き寄せるも、明成も負けずと果敢にリングにアタックを続け簡単には流れを渡さず明成リードの時間が続く。
しかし終盤、#13 岩下准平が連続で3Pを沈め猛追。前半を43 – 43 で折り返す。
3Qは両者気迫のこもったディフェンスで、ロースコアな展開が続く。
中盤大濠のオールコートプレスから少しずつ大濠に流れが傾くが、明成も#8 山﨑一渉の3Pなどで食らいついていく。
しかし、この日は#13 岩下准平が神がかった3Pを連発。リードを譲りませんでした。
第3Q終了間際、大濠 #15 副島成翔がブザービーターでプットバックを決め、65 – 59 で最終Qへ突入する。
第4Q開始早々、明成は#8 山﨑一渉が3Pを決め3点差に。
しかし大濠は継続し強度の高いディフェンスを継続。ターンオーバーを誘発させたり、ドライブをさせなかったりと、明成の得点を許さず、逆に点差を広げていく。
それでも明成 #8 山﨑一渉が苦しい場面で加点し食らいついていくと、大濠#13 岩下准平が負けじと決め返す、両エースの意地と意地の応酬。
しかし、残り約30秒のところ、大濠#14 湧川颯斗のリードを7点に広げる大きなシュートが決まる。
その後はファールゲームに突入し、最終スコア81 – 73 で福岡大学附属大濠が仙台大学附属明成を下し2年ぶりの決勝へコマを進めました。
福岡大学附属大濠高校 81 – 73 仙台大学附属明成
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第1Qは明成 #10 菅野ブルース、#8 山﨑一渉の二人の手が付けられない圧倒的な力が凄いインパクトでした。
大濠は#13 岩下准平の38得点という個人のパフォーマンスも勿論どえらいことなんですが、あれだけの高い強度のディフェンスをチーム全員で最後まで継続できて、リバウンドも全員が絡んでいくところなんかに、チームとしての大濠の強さを感じました。
福岡第一 vs 帝京長岡
小さい選手が主体の留学生のビッグマンを擁する両校の一戦。
お互いに堅守速攻を得意とする、スタイルが似ているチーム同士の戦いです。
第1Q、福岡第一はディフェンスから得点に繋げていい入りをする。# 8 轟琉維、#88 佐藤涼成を中心に攻撃を展開。対する帝京長岡はシュートが思うように決まらず序盤出遅れるが、第1Q終了間際に3Pを沈め、20 – 14で第1Qを終える。
第2Qでは福岡第一がセカンドユニットと交代したタイミングで帝京長岡が追撃。ブレイクからの連続得点が出たりと、流れを引き寄せる。
しかし、福岡第一も簡単には流れを渡さず。コートへ戻ってきた#8 轟琉維が戻ってきてすぐに得点を重ね再び突き放しにかかる。それでも#11 大月舜のドライブからの得点などで踏ん張る帝京長岡。結局第2Qは互角の攻防で34 – 28と膠着状態が続き後半へ。
第3Qに入ると帝京長岡の積極性が増し、点差を詰めていく。応戦する福岡第一だが、第3Q中盤に帝京長岡#7 島倉欧佑が放った3Pが決まり同点に追いつく。
続くオフェンスで#14 コネ ボウゴウジィ ディット ハメードの得点で逆転すると、続けて得点を奪いリードを広げていく。対する福岡第一はシュート精度が落ちてきて苦しい時間に。
6点のビハインドから6点のリードを作った帝京長岡が42 – 48で最終第4Qを迎える。
第4Qに入っても帝京長岡の勢いは衰えず、一時9点までリードを奪う。
しかし、中々リング付近までペイントタッチできずに苦しんでいた福岡第一も、#88佐藤涼成のドライブから得点すると#52 小田健太が3Pを沈め、#8 轟瑠偉からアシストを受けた#24 星賀舞也も加点。連続得点で再び1ポゼッション差まで迫る。
突き放そうとする帝京長岡に対し、福岡第一も積極的なアタックから獲得したフリースローで食い下がる。そして残り時間2分の局面、#88佐藤涼成が放った3Pが決まりついに同点に追いついた。
そこからの1分間は攻守が激しく入れ替わる攻防の中、フリースローを獲得した帝京長岡が一歩前に。
福岡第一は再度の逆転をかけた攻撃を防がれ、カウンターを浴びてリードを広げられてしまい、決勝進出をかけた死闘は、61 – 67で帝京長岡の勝利で幕を閉じた。
福岡第一 61 – 67 帝京長岡
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堅守速攻を強みにするチーム同士、見応えのある攻防が展開された試合でした。
第3Q帝京長岡がギアを上げて試合が動いたなという印象です。
2年ぶりの福岡対決とはなりませんでしたが、どちらが勝ってもおかしくないすばらしいナイスゲームでした。
ウインターカップ2021 決勝 福岡大学附属大濠 vs 帝京長岡
いよいよ今年の高校No.1を決める最後の戦いです。
28年ぶり3度目の優勝となる福大大濠か、新潟県勢初の優勝となる帝京長岡かという一戦。
タイプの違う両校ですが、選手同士のコミュニケーションがよく取れていて、チーム一丸で戦っているという印象が強い共通点を感じます。
そんな両雄が相まみえる決勝は、ロースコアな我慢強さが試されるディフェンス、リバウンドが鍵となるゲーム。
第1Q、福大大濠はハーフコートで2-3のゾーンでディフェンス。
対する帝京長岡は #14 コネ ボウゴウジィ ディット ハメードがブロッカーとしてインサイドを守り、他の4人がマンツーで守るフォーメーション。
序盤フォーメーションの仕組みから自由になる大濠#8 川島悠翔が攻めて得点。
帝京長岡もハイポストエリアからのミドルを決めたりと、ゆっくりとスコアボードが動いていく。
大濠は今大会に象徴される積極的なドライブをブロックされながら果敢にしかけ、徐々にリードを広げて、14 – 9で第1Qを終える。
第2Q、開始早々に先日の準決勝で9本の3Pを沈めた大濠#13 岩下准平がこの試合最初の3Pを決める。
堅いディフェンスので得点のカウントが停滞する中、#13 岩下准平の3Pが再度決まり点差が少し開き始めるが、帝京長岡もルーズボールからの速攻をバスケットカウントでものにすると、その次のオフェンスで#8 箕輪 武蔵が3Pを決め、28 – 27。大濠に1点差まで迫る。
第3Qは開始からすぐ、帝京長岡#5 古川 晟が3Pを決めて逆転。すぐさま大濠#14 湧川颯斗が得点し同点に戻す。帝京長岡がディフェンスの強度を上げ、両者一進一退の攻防が続く。
この両者にとって苦しい時間帯で存在感を見せたのが大濠#8 川島 悠斗、帝京長岡#14 コネ ボウゴウジィ ディット ハメード。両ビッグマンがチームの得点を牽引。43 – 41で大濠2点リードで最終クォーターへ。
最終Q、引き続き両者堅いディフェンスを継続。中々得点が伸びない時間が続き、最終Q中盤、帝京長岡が同点に追いつく。残り時間が刻一刻と少なくなる中、リードが入れ替わるシーソーゲームの展開に。
大濠#14岩下准平が3Pを決めたあとディフェンス、トランジションからの速攻で、#7 泉登翔がフリースローを獲得。2本決めきりリードを3点に広げ、残り1分12秒、シーソーゲームから流れを引き寄せた。
しかし、残り30秒を切ったタイミングで帝京長岡も#14 コネ が空いたスペースを突いてダンクを叩きこみ1点差に迫る。
タイムアウトをとった大濠は、#13 岩下准平がリングにアタックするも、シュートがリングに嫌われてしまう。が、#14 湧川颯斗がアウトサイドから飛び込みプットバックで決めきり、点差を3点に戻す。
残り14.4秒帝京長岡がこの試合最後のタイムアウト。
最後の望みを3Pに託すもリングに嫌われ、ボールはディフェンスリバウンドを取った大濠に。
そのままタイムアップまでボールをキープした福岡大学附属大濠が、59 – 56で帝京長岡を下しウインターカップ2021優勝の栄冠に輝きました。
福岡大学附属大濠 59 – 56 帝京長岡
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今年の決勝戦は両者が堅いディフェンスから、簡単に連続得点をさせず、完全には流れを掴めないうちに引き戻され、という展開が続く我慢比べのディフェンスの試合でした。
どちらのチームもチーム一丸となり粘り強く戦い、まさに決勝戦を戦うにふさわしいチーム同士の試合でした。
まとめ
ウインターカップ2021 入賞校
優勝 福岡大学附属大濠
準優勝 帝京長岡
三位 仙台大学附属明成
三位 福岡第一
優秀選手賞
川島 悠翔(福岡大学附属大濠 1年)
岩下 准平(福岡大学附属大濠 3年)
湧川 颯斗(福岡大学附属大濠 2年)
島倉 欧佑(帝京長岡 3年)
コネ ボウゴウジィ ディット ハメード(帝京長岡 2年)
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2021年のウインターカップは福大大濠が28年ぶり3回目の優勝を果たしました!
近年優勝まであと一歩のところで涙を飲むことが多かった大濠が、明成、福岡第一が優勝を二分する近年の勢力図に変化をもたらしました!
惜しくも準優勝に終わってしまった帝京長岡も、来年またウインターカップの舞台に戻ってきて、開志国際や北越とともに大濠、第一の福岡県勢とライバル関係を築いて高校バスケを盛り上げて欲しいと思いました!
1,2年生は年明け早々にニューイヤーカップが、3年生は今後の進路や特別指定でのBリーグ入りの情報が早くも気になるところですが、とにもかくにも、今年もウインターカップ最高でした!!
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