バスケットボール日本代表には、これまで多くの帰化選手が加わり、国際大会や国際強化試合で日本代表としてプレーしてきました。
1990年代のワイス団、2000年代のエリック・マッカーサーや桜木ジェイアール、2010年代のアイラ・ブラウン、ニック・ファジーカス、2020年代のライアン・ロシター、ギャビン・エドワーズ、ルーク・エヴァンス、ジョシュ・ホーキンソン、ジョシュ・ハレルソン、アレックス・カークら、時代ごとにさまざまな選手が日本代表のインサイドを支えています。
また、2022年にはウィリアムス・ニカ、2025年にはニック・メイヨも日本代表活動に参加しています。
この記事では、5人制バスケットボール男子・女子日本代表で帰化選手として活動・出場した選手について、帰化した時期、代表初出場、出場した主な国際大会、FIBA公式記録などを整理します。
※大会出場歴は、FIBA公式記録およびJBAの公式資料を中心に確認しています。国際強化試合のみ出場した選手については、その旨を明記しています。
バスケ日本代表の「帰化選手」とは?
バスケットボールでは、外国出身の選手が日本国籍を取得し、日本代表としてプレーすることがあります。
ただし、
「外国出身の日本代表選手=すべて帰化選手」
というわけではありません。
FIBAの国際大会では、16歳以降に国籍を変更した選手について、原則として12名のロスターのうち1名までが帰化選手として登録されます。
一方、16歳以前に日本国籍を取得した選手などは、FIBA上の帰化選手枠とは異なる扱いになります。
そのため、この記事では、外国にルーツを持つ日本代表選手をすべて「帰化選手」とするのではなく、日本国籍を取得し、帰化選手として日本代表で活動した選手を中心に紹介します。
歴代の男子日本代表・帰化選手一覧
まずは、男子5人制日本代表で帰化選手として活動・出場した選手をまとめます。
| 選手 | 帰化時期 | 日本代表初出場 | 主な国際大会・代表活動 |
|---|---|---|---|
| ワイス団 | 確認できた資料では特定できず | 1999年 | 1999年アジア選手権 |
| エリック・マッカーサー | 2000年 | 2006年 | 2006年FIBA世界選手権、2006年アジア競技大会 |
| 桜木ジェイアール | 2007年 | 2007年 | 2007年・2013年FIBAアジア選手権など |
| アイラ・ブラウン | 2016年 | 2016年 | 2016年FIBA ASIAチャレンジ、2017年FIBAアジアカップ、W杯予選 |
| ニック・ファジーカス | 2018年 | 2018年 | 2019年W杯、W杯予選 |
| ライアン・ロシター | 2019年 | 2020年 | 2021年アジアカップ予選 |
| ギャビン・エドワーズ | 2020年 | 2021年 | 2021年アジアカップ予選、東京2020オリンピック |
| ウィリアムス・ニカ | 2019年 | 2022年 | 2022年国際強化試合 |
| ルーク・エヴァンス | 2021年 | 2021年 | 2022年FIBAアジアカップ、W杯2023アジア予選 |
| ジョシュ・ホーキンソン | 2023年 | 2023年 | 2023年W杯、パリ2024オリンピック、2025年アジアカップ、W杯2027予選 |
| ジョシュ・ハレルソン | 2023年 | 2024年 | 2025年アジアカップ予選 |
| アレックス・カーク | 2024年 | 2024年 | 2025年アジアカップ予選、W杯2027予選 |
| ニック・メイヨ | 2025年 | ― | 2025年・2026年代表候補・合宿 |
※「代表初出場」は、国際強化試合を含めた日本代表としての実戦出場を基準にしています。
※ニック・メイヨは2026年9月時点でFIBA公式大会の出場記録を確認できないため、「初出場」は「―」としています。FIBA公式プロフィールにも代表スタッツは掲載されていません。
ワイス団
ワイス団は、1990年代の日本代表でプレーしたアメリカ出身のセンターです。
1999年のアジアバスケットボール選手権で日本代表のロスターに登録されており、206cmのセンターとして代表チームに名を連ねました。
現在確認できる資料からは、帰化した正確な年を特定できませんでした。そのため、本記事では無理に年を断定せず、「帰化年は確認できた資料では特定できず」としています。
日本代表での主な出場大会
- 1999年アジアバスケットボール選手権
日本代表の帰化選手の歴史を語るうえで、初期の代表的な選手の一人です。
エリック・マッカーサー
エリック・マッカーサーはアメリカ出身のセンターです。
2000年に日本のパスポートを取得し、2006年に日本代表として活動しました。FIBAは、マッカーサーを「naturalised American」と紹介しており、2006年アジア競技大会で日本代表デビューを果たしたとしています。
日本代表での主な出場大会
- 2006年FIBAバスケットボール世界選手権
- 2006年アジア競技大会
2006年アジア競技大会のチャイニーズ・タイペイ戦では12得点、10リバウンド、3ブロックを記録しました。
桜木ジェイアール
桜木ジェイアールは、アメリカ出身のJ.R.ヘンダーソンとして来日し、2007年に日本国籍を取得しました。
帰化後は「桜木ジェイアール」と名を改め、日本代表としてプレーしています。
FIBAも、J.R.ヘンダーソンが2007年に日本国籍を取得し、その直後に日本代表へ加わったことを紹介しています。
日本代表での主な出場大会
- 2007年FIBAアジア選手権
- 2013年FIBAアジア選手権
2007年の大会は、北京オリンピック出場権をかけた重要な大会でした。
2013年のFIBAアジア選手権にも出場しており、チャイニーズ・タイペイ戦では32分49秒出場、10得点、12リバウンドを記録しています。
アイラ・ブラウン
アイラ・ブラウンはアメリカ出身のフォワードで、2016年に日本国籍を取得しました。
2016年のFIBA ASIAチャレンジでは、日本代表の帰化選手としてプレー。FIBAによると、ブラウンは2016年の大会で8試合に出場し、平均13.9得点、12.6リバウンドを記録しました。
日本代表での主な出場大会
- 2016年FIBA ASIAチャレンジ
- 2017年東アジアバスケットボール選手権
- 2017年FIBAアジアカップ
- 2019年W杯アジア地区予選
FIBA公式記録では、2016年FIBA ASIAチャレンジ、2017年東アジア選手権、2017年FIBAアジアカップ、2019年W杯アジア地区予選の出場記録が確認できます。
ニック・ファジーカス
ニック・ファジーカスは、2018年に日本国籍を取得したアメリカ出身のセンターです。
川崎ブレイブサンダースで長年活躍し、日本代表では2018年のFIBAワールドカップ2019アジア地区予選から存在感を発揮しました。
FIBAは2018年、ファジーカスを日本の「新たな帰化選手」として紹介しています。
日本代表での主な出場大会
- 2018年FIBAバスケットボールワールドカップ2019アジア地区予選
- 2019年FIBAバスケットボールワールドカップ
- 2022年FIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア地区予選
- 2023年FIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア地区予選
FIBA公式プロフィールでは、2019年W杯に5試合、2019年W杯アジア地区予選に6試合、2023年W杯アジア地区予選に1試合出場した記録が確認できます。
2019年W杯では5試合に出場し、平均14.4得点、7.4リバウンドを記録しました。
ニック・ファジーカスの著書
ファジーカスのバスケットボール人生を知りたい方には、本人の著書もあります。
『決断 バスケットボール 背番号22の軌跡』
NBAドラフト、日本でのキャリア、日本国籍取得、日本代表としての活動など、ファジーカス自身の歩みを知ることができる一冊です。
ライアン・ロシター
ライアン・ロシターはアメリカ出身のパワーフォワード/センターです。
日本で長くプレーした後、日本国籍を取得し、2020年2月に日本代表デビューを果たしました。
FIBAは、2020年2月24日のFIBAアジアカップ2021予選・チャイニーズ・タイペイ戦がロシターの日本代表デビューだったと報じています。デビュー戦では17得点、19リバウンド、7アシストを記録しました。
日本代表での主な出場大会
- 2021年FIBAアジアカップ予選
FIBA公式プロフィールでは、2021年FIBAアジアカップ予選に2試合出場し、平均16.0得点、11.5リバウンド、6.5アシストを記録しています。
ギャビン・エドワーズ
ギャビン・エドワーズはアメリカ出身のパワーフォワードです。
2020年に日本国籍を取得し、千葉ジェッツなどでプレーしました。
日本代表での主な出場大会
- 2021年FIBAアジアカップ予選
- 東京2020オリンピック
東京2020オリンピックは2021年に開催され、エドワーズは男子日本代表として出場しました。
FIBA公式プロフィールでは、2021年FIBAアジアカップ予選に2試合、東京2020オリンピックに2試合出場した記録が確認できます。
ウィリアムス・ニカ
ウィリアムス・ニカは、セントビンセントおよびグレナディーン諸島出身のセンターです。
日本国籍を取得し、2022年に日本代表活動へ参加しました。
2022年8月には、国際強化試合「SoftBankカップ2022」のイラン戦2試合で日本代表に登録されています。JBAの大会公式資料でも、8月13日・14日のイラン戦の登録メンバーとして確認できます。
日本代表での主な出場大会・試合
- 2022年SoftBankカップ2022
- 8月13日:日本-イラン
- 8月14日:日本-イラン
2試合では、
- 8月13日:14分18秒、6得点、7リバウンド
- 8月14日:18分32秒、9得点、1リバウンド、2アシスト、3スティール
を記録しています。
なお、FIBA公式の男子シニア代表大会の個人記録では、ニカの出場記録を確認できませんでした。
そのため、「FIBA公式大会に出場した帰化選手」と「日本代表の国際強化試合に出場した帰化選手」を区別して掲載しています。
ルーク・エヴァンス
ルーク・エヴァンスはアメリカ出身のセンターで、2021年に帰化選手登録へ変更されました。所属クラブも2021年に帰化選手登録へ切り替わったことを公表しています。
日本代表では2021年から活動し、FIBA公式大会にも出場しています。
日本代表での主な出場大会
- 2022年FIBAアジアカップ
- 2023年FIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア地区予選
FIBA公式プロフィールでは、2022年FIBAアジアカップに5試合、2023年W杯アジア地区予選に8試合出場しています。
2022年FIBAアジアカップでは、5試合で平均9.4得点、6.2リバウンドを記録しました。
ジョシュ・ホーキンソン
ジョシュ・ホーキンソンは、2023年に日本国籍を取得したアメリカ出身のセンター/パワーフォワードです。
2023年2月のFIBAワールドカップ2023アジア地区予選で日本代表デビューを果たしました。
その後、2023年FIBAワールドカップ、2024年パリオリンピックなど、日本代表の主要大会でプレーしています。
日本代表での主な出場大会
- 2023年FIBAバスケットボールワールドカップ2023アジア地区予選
- 2023年FIBAバスケットボールワールドカップ
- 2024年パリ2024オリンピック
- 2025年FIBAアジアカップ2025予選
- 2025年FIBAアジアカップ
- 2025年FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選
- 2026年FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選
FIBA公式プロフィールでは、2023年W杯アジア地区予選2試合、2023年W杯5試合、パリ2024オリンピック3試合、2025年アジアカップ予選2試合、2025年アジアカップ4試合、2027年W杯アジア地区予選7試合の出場記録が確認できます。
2026年9月現在も、日本代表の帰化選手として活動しています。
ジョシュ・ホーキンソンの著書
ホーキンソン選手のキャリアや考え方を知りたい方には、本人の著書があります。
『日々挑戦、日々成長―不可能を可能にするメンタル強化メソッド』
日本でのプロ生活、日本国籍取得、2023年ワールドカップなどについて、本人の言葉で知ることができる一冊です。
ジョシュ・ハレルソン
ジョシュ・ハレルソンはアメリカ出身のセンター/パワーフォワードです。
2023年9月に日本国籍を取得し、2024年2月に日本代表デビューを果たしました。
2024年2月22日のFIBAアジアカップ2025予選・グアム戦では、11得点、21リバウンドを記録しています。FIBA公式記録でも、この試合が確認できます。
日本代表での主な出場大会
- 2025年FIBAアジアカップ2025予選
FIBA公式プロフィールでは、2025年FIBAアジアカップ予選に1試合出場した記録が確認されています。
アレックス・カーク
アレックス・カークはアメリカ出身のセンターです。
2024年1月25日に日本国籍取得が認められ、その後、日本代表にも選出されました。Bリーグ公式サイトでも、2024年1月に帰化申請が承認されたことが報じられています。
日本代表での主な出場大会
- 2025年FIBAアジアカップ2025予選
- 2026年FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選
FIBA公式プロフィールでは、2025年アジアカップ予選3試合、2026年W杯2027アジア地区予選1試合の出場記録があります。
2026年2月26日の中国戦では12得点、10リバウンドを記録しました。
2026-27シーズンからは川崎ブレイブサンダースに加入しています。
ニック・メイヨ
ニック・メイヨはアメリカ出身のセンター/パワーフォワードです。
2025年に日本国籍を取得し、同年11月には男子日本代表の活動に初めて招集されました。
JBAは2025年11月のFIBAワールドカップ2027アジア地区予選Window1直前合宿について、メイヨがトム・ホーバスHC体制で初選出されたことを発表しています。
日本代表での代表活動
- 2025年FIBAバスケットボールワールドカップ2027アジア地区予選Window1・直前合宿
ただし、Window1のチャイニーズ・タイペイ戦の12名ロスターにはメイヨは入っていません。
また、FIBA公式プロフィールにも2026年9月時点でシニア代表の出場記録は掲載されていません。
女子日本代表の歴代帰化選手
男子に比べると、女子日本代表で帰化選手としてプレーした選手は多くありません。
代表的な選手が**王新朝喜(おう・あさこ)**です。
王新朝喜
王新朝喜は中国出身のセンターです。
2013年に日本国籍を取得し、日本代表に初選出されました。
JBAは2013年の代表活動について、「日本帰化が完了し、晴れて日本代表に初選出された王新朝喜選手」と紹介しています。
日本代表での主な出場大会
- 2013年FIBA ASIA女子選手権
- 2013年東アジア競技大会
- 2014年FIBA女子バスケットボール世界選手権
2014年の女子日本代表資料にも王新朝喜が代表メンバーとして掲載されています。
「帰化選手」と「外国にルーツを持つ日本代表選手」は違う
日本代表には、外国にルーツを持つ選手も数多くいます。
しかし、外国にルーツがあることと、FIBAの規定上の「帰化選手」であることは同じではありません。
例えば、16歳以前に日本国籍を取得した選手などは、FIBAの帰化選手枠とは異なる扱いになります。
そのため、
外国出身だから帰化選手
と単純に判断することはできません。
この記事では、国籍取得の経緯や代表登録を確認したうえで、帰化選手として扱っています。
日本代表で帰化選手が担ってきた役割
歴代の帰化選手を見ると、男子ではセンターやパワーフォワードなど、インサイドを主戦場とする選手が多いことが分かります。
ワイス団、エリック・マッカーサー、桜木ジェイアール、ニック・ファジーカス、ライアン・ロシター、ギャビン・エドワーズ、ルーク・エヴァンス、ジョシュ・ホーキンソン、アレックス・カークなど、多くの選手が日本代表のゴール下を支えてきました。
ただし、それぞれのプレースタイルは異なります。
ファジーカスはシュート力、ロシターはオールラウンドなプレー、エドワーズはフィジカル、ホーキンソンはリバウンドやパス能力など、それぞれ異なる特徴を持っていました。
帰化選手は、日本代表において単純に「高さ」を補うだけではなく、選手それぞれの能力によって異なる役割を担ってきたと言えるでしょう。
2026年現在の日本代表で活動する帰化選手
2026年現在、日本代表の帰化選手として活動している選手では、ジョシュ・ホーキンソンとアレックス・カークが確認できます。
2026年2月のFIBAワールドカップ2027アジア地区予選Window2では、カークが中国戦のロスターに入りました。
一方、ホーキンソンは2026年のW杯2027アジア地区予選でも継続して出場しています。FIBA公式記録では2026年までの同予選で7試合の出場記録があります。
ニック・メイヨも2025年に日本代表候補へ初選出されており、今後の代表活動が注目されます。
歴代のバスケ日本代表・帰化選手まとめ
これまで日本代表で帰化選手として活動・出場した主な選手をまとめると、以下のようになります。
男子
- ワイス団
- エリック・マッカーサー
- 桜木ジェイアール
- アイラ・ブラウン
- ニック・ファジーカス
- ライアン・ロシター
- ギャビン・エドワーズ
- ウィリアムス・ニカ
- ルーク・エヴァンス
- ジョシュ・ホーキンソン
- ジョシュ・ハレルソン
- アレックス・カーク
- ニック・メイヨ
このうち、ウィリアムス・ニカは2022年の国際強化試合に出場していますが、FIBA公式大会の個人記録は確認できません。
また、ニック・メイヨは2025年に日本代表候補・合宿へ初選出されたものの、2026年9月時点ではFIBA公式大会の出場記録を確認できません。
女子
- 王新朝喜
日本代表の帰化選手は時代とともに入れ替わりながら、国際大会で日本のインサイドを支えてきました。
今後も新たに日本国籍を取得し、日本代表を目指す選手が登場する可能性があります。
この記事では、今後の日本代表活動や国際大会への出場状況に合わせて、歴代帰化選手の情報を更新していきます。


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